個人スポーツとしての認識が高いゴルフだが、実業団対抗ゴルフ選手権のような団体戦においてはゴルフもチームスポーツの側面をみせる。過去の各大会の上位入賞チームを見ると、どのチームもただゴルフが上手いだけではなく、“チームとしての結束力”やゴルフに取り組む”姿勢”そのものが秀でているように感じる。そしてそこには、普段は企業で仕事をする”社会人ゴルファー”ならではの取り組みや想いも存在する。

 今回実業団対抗ゴルフ選手権では、この”チームスポーツ”としてのゴルフに焦点をあて、企業内で部活やサークルとして活動する”チーム”を紹介する新連載「The TEAM WORK」をスタート。初回となる第1回目は、毎年岐阜県大会で上位入賞を続け、東海決勝大会でも活躍をする「イビデン株式会社(以下、イビデン)」のゴルフ部を取材した。
取材:寺田 愛加

「イビデン株式会社 ゴルフ部」設立へ

もともとイビデンにはゴルフ部自体無かったものの、社内における部内親睦や交友プレーは非常に盛んで、定期的にコンペも開催されており、初心者から上級者まで参加者も非常に多かったという。しかし、あくまで親睦や交流が主体となるコンペではなかなか技量向上には繋がらず、上級者から初級者への技術指導の機会もなかなか無いのが現実だった。

 そんな中ある時、社内で「プロの指導を受けて、ゴルフ部として一丸となって活動していかないか!?そして会社として対外試合にも出てみてはどうか?」という意見が挙がった。以前から胸にくすぶっていたものに火が付いたかのように賛同する社員も多く、その流れは加速。ゴルフを通じて部下・上司・職場・部門の垣根を超えたコミュニケーションを図れる場を作り「親睦を深めながらもお互い切磋琢磨し技量を高める」という理念の下、2012年11月、遂に社内に正式にゴルフ部が設立された。設立以来部員も少しずつ増え、2013年7月時点での部員は26名(男性20名、女性6名)である。

発足してまだ7ヶ月のゴルフ部ではあるが、部員全員が積極的に練習に参加し、お互い切磋琢磨し合うことで技術向上に努めている。積極的に活動するゴルフ部を後押しするように、社内報でゴルフ部の活動が継続的に掲載されるなど、社内でもゴルフ部の活動に対する認知とサポートが広がっているという。
 また、毎月2回開催しているプロによるレッスン会も功を奏し、ゴルフ部設立後に出場している岐阜県実業団対抗選手権では、好成績での”連続上位入賞”と、目に見える形でその成果が現れている。

対外試合、「実業団対抗ゴルフ選手権」出場。

実業団対抗ゴルフ選手権には、他企業やチームに「勝つ」という対抗意識ではなく、”対外試合で自分達の実力を発揮して好成績を残す場”というスタンスで望んでいる。ライバルチームを意識するのではなく、あくまで敵は自分たち自身。もてる実力を発揮し、自分との戦いに打ち勝ち、結果イビデンとして優勝を勝ち取るのが目標だ。

 部として結束し技術力も向上していく中で、当然「積極的に試合に出て、自分自身との戦い・挑戦をしていきたい」という想いはより強くなる。「ゴルフ部を設立し、その中から選手を選抜して対外試合に出場する」というのは、ゴルフ部発足当初からあった構想であり、実業団対抗ゴルフ選手権はこれを実践するための格好の場となっている。
 また、この大会に出場するようになってから、他の企業との交流が出来るようになり、プライベートでのラウンドも一緒にするようになったという。さらに、東海決勝大会に出場するようになったことで、他県の企業とも交流が深まるなど、出場することで得ているものも大きいと感じている。

アクシデントを乗り越え、第4回 岐阜県実業団対抗ゴルフ選手権へ

今年6月に開催された「第4回 岐阜県実業団対抗ゴルフ選手権」にもイビデンは出場。団体戦13位という結果を残し、見事11月開催の東海決勝大会への出場権を獲得しているが、実は今大会の開催前に、個人戦でも上位を狙える主力選手1名が、“社用と重なり出場出来ない”というアクシデントが起きていた。

 大会本番に向けてチーム全員が選抜に残れるよう日々練習を重ねていた中での事だったが、代わりに選ばれた部員は、その出場出来なくなった選手、そしてイビデンのためにも大会上位に残りたい、という強い想いのもと、普段以上に練習ラウンドを重ねて大会に望んだという。
 チームのために・・・まさに、個のスポーツであるゴルフのチームスポーツとしての一面が垣間見れた場面だろう。主力選手が抜けてもチーム一丸となることで、今大会でもしっかりと上位入賞を果たしたのである。

第4回 岐阜県実業団対抗ゴルフ選手権を終えて

ただ、「参加50チーム中13位、東海決勝大会への出場権も獲得」、と悪くはない成績にも関わらず、決して満足はしていないようだ。大会直後の取材で、チームの一人がこう話してくれた。 「会場の谷汲カントリークラブは非常にコースコンディションがよく、今日は技量負けしてしまった。特に9番ホールは距離が長くて難しかった。全員が実力を発揮しきれず、苦戦してしまい非常に残念だが、これを糧によりチーム一丸となって練習に励み、東海決勝大会では上位を狙いたい。」

 また、今後のイビデンゴルフ部の活動について、イビデンの岡本選手はこう語ってくれた。

「ゴルフは人によってスコアに差が出るが、それでも年齢や性別に関係なく誰とでもプレーすることが出来て生涯楽しめるスポーツであり、良くも悪くも自分との戦いにより結果がでるスポーツだと思っている。ゴルフを通じて様々な人たちと交流が出来、自分を成長させることができた。これからは自分個人だけでなく、イビデンゴルフ部全体の取り組みとして、体力づくりや健康管理もできるよう、活動を続けてい行きたい。」

 インタビューの途中、「6月の岐阜県大会では本来の勝負服ではない黄色のウェアで大会に望んだのが敗因だ」と、冗談交じりに話してくれた時のチームの”笑顔”が非常に印象的であり、その笑顔がチームワークのよさを物語っているようにも思えた。11月の東海決勝大会ではイビデンカラーに身を包んだ選手達が実力とチームワークを発揮し、上位入賞を果たすかもしれない。東海決勝大会でもその活躍に注目したいと思う。

イビデン株式会社 ゴルフ部

2012年11月発足。
2013年7月時点での部員は26名(男性20名、女性6名)。

<実業団対抗ゴルフ選手権での成績>
第2回 実業団対抗ゴルフ選手権 団体戦 4位
第3回 実業団対抗ゴルフ選手権 団体戦 9位
第4回 実業団対抗ゴルフ選手権 団体戦 13位

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