第1回大会から本大会に参加している「本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所」(以下、本田技研チーム)は、大会の時にはいつも必ず「HONDA」のマークの入ったお揃いのウエアを着て出場している。 しかもそのウェアは毎回同じではなく、大会ごとにお揃いのウエアを新調しているという。各県大会を見回しても、ここまでこだわるチームはそうはいない。
第5回大会以降は2チームでの参加となり、より楽しそうにゴルフをする姿が印象的な彼らは、普段どんな気持ちでゴルフをしているのだろうか?お揃いのウエアを着て出場しているチームとはどんなチームなのか?今回は私が最も話を聞きたかったチームの1つに話を伺うことが出来た。
取材:後藤加奈子(榊原温泉ゴルフ倶楽部)
本田技研工業㈱には会社全体のゴルフ部はなく、もともと部署内のゴルフ好きの仲良しが集まったチームだとのこと。メンバーの緒方選手がたまたまインターネットで「実業団の大会」が榊原温泉ゴルフ倶楽部で行われることを知り、「PGAシニアの大会を開催したゴルフ場なので是非ラウンドしてみたい!」と思ったことをきっかけに、「企業対抗ならば、同じ部署内にいつも一緒にゴルフをしているゴルフ好きの仲間がいるので、みんなを誘って会社の代表として参加しよう!」と挑戦を決めたことが、現在の本田技研チームの誕生と発展のきっかけとなっているのだそうだ。
勝手に「ゴルフ部」と称した仲間は15~16人。そのうちう女性は4人。インタビュー時も「みんな仲が良い」と楽しそうに話してくれた。好きなゴルフを通じて良い仲間に出会えたということを、大人になってもこんなに楽しそうに話せるということに、それは個人的にも少しうらやましく感じるほどだった。
本田技研チームは過去3回の大会に出場経験があり、昨年の第5回大会では初めて2チームで参加。過去大会の出場選手に刺激されて、「大会に出てみたい」と思う選手が増えたのだろう。
「勝手に会社代表として参加しているが、会社全体で本格的に選抜選手を集めると自分達よりもっとうまい選手がたくさんいるかもしれない・・・」と緒方選手は言う。 うまい選手は他にもいるのかもしれないが、それでも現出場選手はしっかりと結果を残している。
実際、Aチームは出場した全ての大会で決勝大会進出をしており、まわりにも影響を与える存在へとなりつつあることは間違いだろう。インタビューに答えてくれた緒方選手は、昨年の決勝大会の1週間前に体調を崩してしまって大会に出場できず、とても悔しかっただろうが、今回はその話も笑顔で話してくれた。
練習は主に個人で行い、特に一緒に練習場へ行って練習をするということはないのだそうだ。それでも「一番のライバルはチームの仲間」と男性選手は皆声をそろえて言う。 仲間に負けたくないという強い気持ちが自身のプレーの向上につながっているようだ。
もちろん、お互いライバルではあるが、仲間だからこそ練習ラウンドの時には「あそこは良かった」「あの時はこうした方がいいのではないか」など、なんでも言い合うことができる。繰り返しになるが、本当にいつも笑顔が絶えないチームだ。だからこそ「チームワーク」が良いのだろう。
女性のメンバーである福田友恵選手と緒方美穂選手は、5/9(土)に行われた、東海ワーキングウィメンズゴルフカップにも新調したお揃いのゴルフウエアを着て出場。「打倒、伊勢赤十字病院!!」と意気込み参加したとのこと。その伊勢赤十字病院は、当時大会3連覇中のチームである。結果は初出場で4位入賞。優勝こそ逃したものの、二人が今後優勝を狙えるチームであることに疑いの余地はないだろう。
三重県大会でも、決勝大会でも、本田技研チームは必ずあの有名な「HONDA」のマークが入ったお揃いのウエアを着て出場している。選手の被っているお揃いのキャップは工場見学に行くとみんながもらえるものだそうで、私も一度見学に行ってみたくなった。 また、第5回大会出場時には「Nantoka Nosete Nejikomi Norinori TEAM N ONE」の文字が入ったのウエア(ポロシャツ)を着てゴルフを楽しむという、女性の私からすると"かわいい”一面も垣間見え、チームの「絆」に加え愛社(車)精神も感じられた。
第6回三重県実業団の目標は、Aチームは「決勝大会へ出場し、上位を狙う。」、Bチームは「Aチームになんとか食らいつき決勝大会出場を目指す。」 2チームとも決勝大会出場(15位以内)が選手全員の目標である。(※インタビューは大会前に実施。) 互いに競い合いライバルではあるが、ゴルフという柱があり、それを通じで出会えたかけがえのない仲間だからこそ支え合える。 そんな彼らが今年も大会に挑む。こんなにゴルフを楽しんでいる彼らだ。きっと良い結果に繋がっていくに違いない。
<三重県大会>
第1回:団体 4位 / 個人:9位(玉井良明 選手)
第4回:団体 準優勝 / 個人:優勝(福田雅敏 選手)
第5回:団体 Aチーム 9位、Bチーム 20位
<東海決勝大会>
第1回:団体 7位
第4回:団体 40位
第5回:団体 25位(Aチーム)