第3回大会より岐阜県大会において団体戦、個人戦ともに連覇を達成し大会を席巻。東海決勝大会でも連続入賞を果たしている岐阜車体工業株式会社(以下、岐阜車体)。ゴルフ部は創設からまだ3年ながら、ゴルフへの想いや日々の取り組みの姿勢からは並々ならぬものが感じられる。

”チームスポーツ”としてのゴルフに焦点をあて、企業内で部活やサークルとして活動する”チーム”を紹介する連載「The TEAM WORK」、今回は普段はものづくりに没頭している岐阜車体の勇士たちのゴルフにかける思いを取材した。

取材:羽城(谷汲カントリークラブ)

「小粒でもピカッと光る」を体現。

 岐阜車体は創設73年の会社で、主に名前のとおり車両製造(トヨタハイエース)を手掛けている。ゴルフ部の歴史もさぞかしと思われたが、実は3年前の2011年4月に発足とのこと。 ゴルフ部発足の初年度に出場した「第3回 岐阜県実業団対抗ゴルフ選手権」では団体・個人の部で見事、初出場での初優勝を果たしている。

 つづく昨年の第4回 岐阜県実業団では、団体の部1位、個人の部もキャプテンの武内氏が見事71ストロークにて優勝を果たし、武内氏の個人の部の二連覇とともに団体でも二連覇を達成している。この快挙達成に対し、ゴルフ部には会社より特別功労賞が送られたとのことだ。

 キャプテンである武内氏は、自社の会長である星野鉃夫氏がよく口にするという言葉を教えてくれた。
『小粒でもピカッと光る』・・・確かに武内氏も決して身体が大きいわけではない。 しかしながらスイングの切れは、それこそ小粒でもピカッと光る、そのものである。岐阜車体ゴルフ部はまさにこの星野氏の言葉を体現して見せているのである。

ゴルフ部内での厳しい選抜争い

最近のゴルフ部の活動状況について聞いてみると、現在の部員数は総勢100名をかぞえ、会社近くのニッケゴルフセンターと各務ヶ原カントリークラブを主な練習拠点に活動しているとのこと。年に3〜4回、ゴルフ部コンペを開催しており、これが同時に実業団対抗ゴルフ選手権の出場選手を選抜する選考会を兼ねているとのことだ。

 選考会は2回以上の参加でベストスコアによる選抜となる。 実業団対抗ゴルフ選手権へ岐阜車体からは2チームが出場しているが、Aチームに入るための昨年の選抜スコアはカット77ストロークだったとのこと。Bチームでもカットが84ストロークで、85ストロークからは補欠となることからも、チームの選手層の厚さがうかがえる。 実力者揃いが故に、Aチームのメンバーが毎年入れ替わるような状況も必然である。年々選抜のカットが上がってきていることから、キャプテンの武内氏でさえ「自分自身も必死です」との事であった。

それぞれの顔とチームの結束

 実力者揃いのチーム状況からさぞ充実したゴルフライフを過ごしているのでは?と思い、試しに「仕事とゴルフどちらが大事ですか?」という質問をぶつけてみたが、当たり前のように「仕事に決まってるだろう」と言う顔が返ってきた。みなサラリーマンであり、先ずは仕事ありきなのは岐阜車体も例外ではない。当然ゴルフばかりしている訳ではないのだ。日によっては夜勤になることもあり、平日は疲労でゴルフクラブを握る気力もおきず、やはり専ら土日を中心に活動をしているとのことだ。

 メンバーはみな部署も違い、仕事の都合などからもチーム全員が集まることも滅多にないそうだ。それでも練習場には人知れず部員が集まり、互いの打球音を聞いて調子を伺う。言葉は無くても練習場が互いを分かり合う場になっているようだ。またどうしても実践から遠ざかるとショートゲームが不安になることから、練習場に付帯のバンカーやアプローチレンジにはこまめに通って、腕を鈍らせないように努力しているのだそうだ。

 キャプテンの武内氏もやはり土日の練習やラウンドがメインになるようだが、時には各務ヶ原の権現山をジョギングしたりもするとのこと。「身体は正直で、球を打つだけでは次第に身体がブレてきてしまい、終盤の集中力を欠いてしまう」のだそうだ。 今回のインタビューに対応頂いた6人の中では2人がこの登山によるトレーニングを行っているとのこと。こういった日頃の鍛練が自ずと結果へと繋がるのだろう。

 すべてが順調そうな岐阜車体ゴルフ部だが、実は昨年の東海決勝大会ではアクシデントに見舞われている。 上位を目指していた岐阜車体の選手が、競技中に誤球をしてしまったのだ。 同大会は、2チームが同ストロークにて3位であったため、結果的に4人目のスコア対決となり、東海決勝大会は4位という成績に甘んじた。実際、チームメイトも「競技での経験が浅かった」と話しているが、同ゴルフ部の嶋氏は「普段なら、誤球でもしたら後はくさってしまうが、今回は団体戦という責任があり、1打1打に集中して我慢することが出来た」と話す。成績こそ悔しい結果であっただあろうが、これこそがチームとしてのゴルフなのだろう。

ゴルフが好きであり続けたい

最後に、ゴルフに対しての取り組み方を聞いてみたところ、”ゴルフに終着点はない”という想いが込められたメッセージをくれた。
「ゴルフはその疲れた身体と心を癒してくれるもの。だからゴルフが上手くなりたいという気持ちはあるけれど、ゴルフが好きであり続けたいという気持ちを大切にしたい。皆それぞれ目標は違っても、それぞれが目標を持ってそれを達成したら更なる目標を見据える。だから、目標は仕事ができて、ゴルフも出来る・・・そうなりたいですね。」
皆、多くを口にはしないが誰もがその言葉に共感しているようであった。

 今年の岐阜車体の目標は、岐阜県大会の3連覇達成と、昨年成し得なかった東海決勝大会の制覇だ。その目標に向け決意を新たにする仕事師たちは、明日の糧となるゴルフを今日も楽しんでいる。

岐阜車体工業株式会社 ゴルフ部

<実業団対抗ゴルフ選手権での成績>
第3回 岐阜県大会 団体戦 1位
第3回 東海決勝大会 団体戦 2位
第4回 岐阜県大会 団体戦 1位
第4回 東海決勝大会 団体戦 4位

The TEAM WORK - 過去の掲載

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