第三銀行は、三重県松阪市に本店を置く地域金融機関として、創業108年の歴史を持つ。第2回の三重県実業団大会より、8大会連続で出場しており、第4回三重県大会では初優勝、翌年の第5回東海決勝大会では、地元榊原で悲願の初優勝を成し遂げた。歴史のあるチームであるが、故のチームワークの難しさを語っていただいた。
取材:羽城(榊原温泉ゴルフ倶楽部)
当初はチームと言うよりゴルフが好きなメンバーが集まり、会長の谷川氏の号令の下、当時のチームリーダーであった里村選手を中心に6名程度での発足であった。普段は各セクションに分かれて勤務するメンバーが、一堂に会して練習ラウンドすることが恒例となっていた。ゴルフと通じて1つの目標に向かう楽しい仲間同士の集まりであった。
ゴルフと向き合うと言う面では社会人としての仕事とゴルフの両立。競技ゴルフと向き合うことで心の持ち方や仲間の大切さを学ぶこともできた。第4回三重県大会では念願の県大会初優勝を果たし、とても充実していたと言う。翌年の第5回三重県大会では、Aチームは2連覇を逃したものの準優勝となり、決勝大会では地元榊原で強豪チームを迎え撃つこととなり、テンションは自ずと上がっていった。
そんな矢先、第5回東海決勝大会を3週間後に控えた8月15日、長年チームを引っ張ってきた里村選手が突然の他界となった。告別式は弔いのお経をかき消すほどの雷雨の中、皆で見送った。決勝大会はあえて4人目の選手を登録せず3人で戦った。本来なら4人目は調子の良い選手を入れるのも手ではあったのだが。しかし、里村選手の出場枠分を誰も足さずに4人で戦うと心に決めていた。そして、決勝大会の佳境の中、突然の雷雨。一時中断を余儀なくされることに。時折、天を眺めて、ありき日の里村選手のことを想った。そして中断解除後、冷静さを見失わず、見事地元での初優勝を飾る。雨が頬をつたった。
今、我々に課されているのは一所懸命に仕事をして、ゴルフをして、人生を充実させる。生かされている自分たちに感謝し、仲間を尊び、ゴルフができる喜びを分かち合っていきたいと皆がうなずいた。
そして、もう一度、谷川会長に決勝大会の表彰台へと上がって頂く事を胸に、静かにティオフを待つ。
<三重県大会>
第2回:団体 Aチーム 3位・Bチーム5位
第3回:団体 Aチーム 2位・Bチーム15位
第4回:団体 Aチーム 1位・Bチーム21位
第5回:団体 Aチーム 2位・Bチーム14位
第6回:団体 Aチーム 3位・Bチーム20位
第7回:団体 Aチーム 2位・Bチーム23位
第8回:団体 Aチーム 13位・Bチーム22位
第9回:団体 Aチーム 12位・Bチーム31位
第10回:団体 Aチーム 8位・Bチーム15位
<西日本決勝大会>
第2回:団体 Aチーム 11位・Bチーム21位
第3回:団体 Aチーム 10位・Bチーム18位
第4回:団体 3位
第5回:団体 Aチーム 1位・Bチーム29位
第6回:団体 Aチーム 6位・Bチーム53位
第7回:団体 40位
第8回:団体 19位
第9回:団体 21位
第10回:団体 22位